衣服は、人となりの前にあまり効力がない。それはとても、逆説的な話。
子どもの頃のぼくは、洋服に無頓着だった。母親から与えられるものを、何の思い入れもなく着ていた。ふと疑問を抱くようになったのは、高校生の時だ。「これからぼくの洋服を買う時は、自分で選ばせて。」母親に、そう申し出た。...
View Articleふたりの愛はレコードの溝に刻み込まれたまま、永遠に廻り続ける。
加藤和彦のレコードを手に入れたのはいつ頃だったろう?香川県は丸亀市にある丸亀城公園の裏口に、中古レコードショップがあった頃だから、もう15年くらい前になるのかな?加藤和彦ソロ名義の「ヨーロッパ3部作」と呼ばれるLPを、3枚まとめて購入したように記憶している。...
View ArticleLieber *****
☐四角い窓外-------------真昼 明るい憂鬱 青空 ソオダ水 (ラムネ) 夏の残像 恋の残像鼓動の残響孤独の残響☐四角い窓内-------------真夜中 静寂 言葉...
View Article余白
それは“無”ではない。それは“距離”であり、また何かのために効果的な“間”である。だから、それ自体が主役になることはない。しかし、何かと何かを媒介する云わば“空気”のようなものであるから、それはとても重要である。
View Articleタッシ
考へれば考へる程遠退いていく 夢を翻しては世界を繋ぎ直してゐる 金色の鳥が鋭い声で鳴いた 其れは遠い宇宙に反響して 青空を振るわせる 空から零れ落ちてくるのは涙 天氣雨...
View Article青に溺れる
君から遠く離れた、ブラウン管のように冷たい青の世界で、ぼくは 溺れてゐます。君からぼくは 見えないでしょう。何故ならそれを、見たくないと願ってゐるから。そんな君を、ぼくは此処からずっと 眺めてゐました。青空。ぼくの内に閉じ込め、果てしなく 膨張する、。青空。雲が湧き出しては、そこから去って往く、。ぼくの内から旅立つ雲よ、願わくば 彼のうえに雨を降らせよ。青く冷たい粒子のような 雨を。
View Article光までのプロセス
------------------------------------------------------------------★金魚鉢のなかで泳ぐ金魚の孤独について考へてみる------------------------------------------------------------------余...
View Article千の韻
然様なら僕は此処に在る世界をもう一度 創り直す為始まりと終わりが循環する 無限断片の詞を 短編の詩に青が浸蝕するまま 哀れんでも閉じた心を知って居る無言光の色を数える様に 無謀知らないふりをして 無効海を見ていたんじゃなくて 君を見ていたんだ橙黄昏万古無辜偶然を必然化する為に紡ぐ 言の葉必然を抽象化する 音楽砂粒の中で軋む雨と硬質硝子無音奏thousand
View Article白のレクイエム
白一面何もない雪の原足跡その先に居るはずの君けれどここからは何も見えない白白白に埋もれて遠くに聴こえるレクイエムたったひとつぶの涙でさえぼくを動けなくしてしまう
View Article地図
ぼくは何か云いたいことがあった誰でもない誰かにけれど云おうとした時にはもうすでにそこから居なくなっていた 残るものは ただ風のような 淋しさと空しさその人は地図をもっていっただろうか
View Article過ぎ去りし世界の幻影
石畳の路地でぼくは自分を見失いそうになる…………白い鳩は飛び立ち 青い空へと消えていく ぼくはひとりきりで 鐘の音を聴いている…………ぼくが其処に居るという証明を一体誰ができるというのだろう…………噴水がその腕を伸ばし 空を掴もうとする それは何かの反映か それとも ひとつの虚無的現象にしか...
View ArticleANSWER
右肩の詩左肩の死現を夢に読み換えること永遠を信じないがゆえに一瞬が長く引きのばされる浮遊感をもてあましながら泳ぐように進む何も見ない真実は居ない其処で終わることはありえないあるのはただ始まりだけしかもすべてがものの集まりとどのつまり物質存在現実見えるものわかるもの感じるもの理解しようなどと思ってはいけない君は解釈をするべきなのだから答えはいつも君のなかにある
View Article26のイデア
a;愛b;世界はとても 美しいc;わたしたちは 海でできているd;生と死は 同一のものとして語られるべきであるe;恍惚f;自由とは 自らの事由g;見えない力に 支配されているh;わたしだけの座標を 検出するi;居場処j;此処ではない 何処かk;形而上学的に云えば 螺旋構造と相似形にあるl;光m;分離n;氷o;生命保存の法則p;矛盾しているように見えるかもしれないが...
View Article例えば言葉を無為化する事に僕は何を見い出すのか
時間と空間を行ったり来たりする 此処と其処 林檎か檸檬の様な宇宙 何も無いけど全部が在る 音樂は完全なる球体をしてゐる 言葉は不完全な立方体 伝染していく感傷が君を苦しめる 青空から一粒落ちて来た憂鬱の雫 悲しみを全部吸い込んだ雲の造形 飛び交う電波を孤独で受信 夢が僕の現実を凌駕する 真実の中に秘められた嘘 断片化された物語をさらに分解すると詩が抽出される...
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